債権回収

債権回収は、一般的には債務者(買主など)が債務(代金など)を支払ってくれない場合に、これを回収する行為や手段を言います。
しかし、判決を得て強制執行をしようとしても、債務者に資力がなければ回収することはできません。
そこで、普段の取引から債権回収を想定した準備をしておくことが必要になります。

与信管理

与信管理は、「いくらまでであれば債権を保有してよいか。」を検討する作業です。
例えば、「倒産確率が著しく低い会社」が相手であれば1億円の掛け取引をしても問題ありません。
他方で、「倒産可能性がある会社」が相手であれば掛け取引ができるのは500万円が限度という判断があり得ます。
このように貸倒れのリスクをもとに取引規模の限度を見極める作業が与信管理です。

与信管理においては、
 自社が耐えられる貸倒れの規模
 取引規模
 取引のリスク(倒産確率など)
などを把握することが必要になります。

担保の確保

担保の確保は、貸倒れの可能性を下げるための作業です。
抵当権の設定や、保証人の確保などが一般的ですが、それ以外の方法でも担保的な効果を得ることができます。

例えば、売買契約において「代金の支払と目的物の引き渡しを同時とする。」という条件がある場合には、「目的物を引き渡したのに代金の支払いを得られない。」という事態を防ぐことができるため、担保的な効力を得ることができます。

債権回収

債権回収は、債権が貸し倒れた場合にそれを回収する行為です。
訴訟、強制執行などの手段を使って債権を回収することになります。
上で述べた準備行為は、債権回収が必要にならないため、または債権回収を可能にするための準備行為といえます。

損害の軽減手段

どれだけ気を付けていても一定の確率で貸倒れは発生します。
また、絶対に貸倒れが発生しないよう過剰にリスク回避をすると取引活動が困難になります。
そこで、貸倒れが発生した場合に備えて、損害を軽減するための予防手段をとっておくことも必要になります。

例えば、中小企業倒産防止共済制度への加入、貸倒に備える保険への加入などが考えられます。