口座売買:ダメ、絶対!

最近よく相談を受けるものとして

「口座売買をしたら口座を作れなくなってしまった!」

というものがあります。

口座売買って何?

SNSなどにこんな書き込みや広告が届くことがあります。

銀行口座買い取ります!
高額、即金!!
DMでご連絡ください!!!

この広告から他人に口座番号や暗証番号を教えてしまうのが口座売買です。
銀行口座自体は無料で作れるので、それを数万円で他人に売れるのであればお得に見えてしまいます。

何のために買い取るの?

では、無料で作れるはずの口座をわざわざお金を出して買い取るのはなぜでしょうか?

もちろん何らかの理由で口座を作成できない人が口座を作るために使います。
一般的なのは詐欺などに使うためです。

例えば、インターネット経由で詐欺を行うためには、金銭を受け取るための口座を作る必要があります。
しかし、その口座を作るために銀行で身分証明書などを提示すると、その記録から犯人が分かってしまいます。
そこで、他人が作った口座を買うことで、その口座を使用して詐欺行為を行います。

口座を売ったらどうなるの?

1 刑罰を科される

口座の譲渡はそれ自体が犯罪になります(犯罪収益移転防止法28条)。
このため、口座売買を行うと、1年以下の懲役、100万円以下の罰金のいずれかまたは両方を科される場合があります。
また、経歴としては前科が付くことも重要です。

売買する目的で口座を開設した場合には、開設行為も詐欺や窃盗に該当します。

2 損害賠償請求をされる

また、詐欺にあった被害者からは口座の名義人、つまり口座を売った人に対して損害賠償請求がなされます。
これにより、たった数万円で口座を売ったために、数千万円の損害賠償請求がなされる可能性があります。

3 口座を作れなくなる

口座売買を行った場合、銀行座口座が凍結されたり、銀行口座の開設ができなくなったりします。
キャッシュレス化が進む中では銀行口座を開設できないことは非常に大きな不利益になります。

まとめ

このように、口座売買は非常に簡単にできてしまう一方で、非常に重大な効果を及ぼします。
特に、中高生にとっては、その違法性の認識は難しい一方で、売買代金は大きな魅力に映ります。
このため、お子様などに対しても口座売買の危険性は十分に共有しておいてあげてください。