近年、悪質クレーマーによる会社や従業員への圧力が問題視されています。
適切な知識を持つことで、会社と従業員を守ることが可能です。この
記事では、悪質クレーマーへの効果的な対策を解説します。
対応方針と基礎知識
会社として統一した対応を取る
- マニュアルを作成し、対応方法を明確化
- 責任は会社が負い、従業員を守る体制を整備
悪質クレーマー対応で最も重要なのは、会社として一貫した対応をすることです。
クレーマー対応において、従業員は「クレーマーの行為に対する不安」と「会社から責任を問われる不安」の双方を感じています。
そこで、この不安を解消するために、マニュアルを作成するとともに、会社が責任を取り従業員には責任が及ばないことを徹底して理解してもらう必要があります。
「訴訟を恐れない」姿勢を持つ
- 法定利率は3%(2025年時点)
- 交渉より裁判の方が楽
悪質クレーマーの典型的な脅し文句として、「訴える」「今払わないと高額の請求をする」などがあります。これらに動揺すると、クレーマーの思うつぼになります。
民法上の法定利率は年3%であり、支払が遅れたからといって金額が大きく増えることはありません。(※法務省)
むしろ、クレーマーとの交渉よりも、中立の裁判所で訴訟を行う方が負担が少ないとも言えます。
法的知識を持つことで、不当な要求に屈しない姿勢を貫きましょう。
不退去の罪を理解する
- 退去を求めても帰らない場合は「不退去の罪」が成立する
- 警察に通報し、刑事事件として対応可能
店舗やオフィスに居座るクレーマーには、「不退去罪」(刑法130条)が成立します。
「警察は民事不介入」と言われますが、不退去の罪は刑事事件なので、警察が対応することができます。
クレーマーが退去を命じても帰らない場合には警察通報を行いましょう。
ネット上の誹謗中傷への対策
- 悪質な投稿は削除可能(プロバイダ責任制限法)
- 匿名投稿者を特定可能(プロバイダ責任制限法)
- 名誉毀損・業務妨害で損害賠償が請求(民法719条)
クレーマー対応では、インターネット上で事実無根の悪評を書かれることの不安もあります。
適切な対策を知っておくことで、風評被害を最小限に抑えられます。
これらの手段を知っておくことで、「ネットに書き込むぞ!」という脅しにも冷静に対応できます。
まとめ
重要なのは「悪質クレーマーの脅迫手段には法的な対応が可能である。」ということです。
これらの対応をして多くことで、毅然とした対応を行うことが可能になります。
具体的な対応
マニュアルの作成
クレーム対応の基本は、その場で解決しようとせず「本社で対応する」ことです。
悪質クレーマー問題を現場で解決することは困難ですし、正当な権利主張であればなおさら本社で賠償などの手配を行う必要があります。
そこで、次の方針でマニュアルを作成しましょう。
- 初動では謝罪しても問題ない(謝罪=責任の認定にはならない)
- 本社から連絡すると伝えた上で連絡先を確認する
- 時間制限を設け、必要以上に対応しない(例:5分まで)
- 退去に応じない場合や暴行・脅迫があれば警察通報
- マニュアルに従ったことで問題が生じても従業員に責任が及ばないことを明示しておく
- 弁護士などの専門家のサポートを受けながら対応する
本社対応に持ち込めば、弁護士と相談しながら適切に処理できます。
また、法律の専門家が介入することで、悪質クレーマーの大半は諦める傾向にあります。
絶対に避けるべき対応
やってはいけない対応として次の2種類があります。
- 「納得するまで丁寧に説明する」
- 「正当な権利主張には丁寧に対応、悪質クレーマーには毅然と対応」
悪質クレーマーはどれだけ説明しても納得しませんので、納得するまで説明していては何時間も拘束されることになります。
説明を続けることによるストレスから従業員を守るようにしましょう。
「正当な権利主張には丁寧に対応、悪質クレーマーには毅然と対応」というのは一見すると普通の対応のように感じますが、現場の従業員が「正当な権利主張」か「悪質クレーマー」かを判断することは困難です。
この判断を強いることによる不安から従業員を守るためにも本社対応とすることを目指しましょう。
まとめ
悪質クレーマー対策には、事前の準備と知識の共有が不可欠です。
会社として統一した対応を決め、従業員が安心して働ける環境を整えることで、被害を最小限に抑えることができます。
クレーム対応に困ったら、弁護士に相談することをおすすめします。
法的手段を適切に活用し、企業の利益を守りましょう。