明けましておめでとうございます
本年も
すべての人が法的サポートを受けることのできる社会を作り
地域社会の活性化に貢献できるよう尽力してまいります
新たな一年が
皆様にとって素晴らしい一年であることを
心より祈念しております
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新たな一年が
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従業員を雇用していると、解雇せざるを得ないケースが発生します。
従業員を解雇する際には、どのような点に注意すべきでしょうか?
労働者を解雇する場合には、後述するように厳しい要件が要求されています。
要件を満たしていない場合には、解雇は無効となります。
判決で解雇無効と判断された場合には、解雇から判決までの期間の賃金を支払う義務が生じます。
裁判の準備から判決には1~2年くらいの期間がかかります。
このため、約2年分の賃金を支払うことになります。
年収500万円の労働者であれば、合計1000万円ほどの支出ということになります。
判例および法律は解雇の要件として
① 合理的な理由
② 社会的相当性
の2つを要求しています。
さらに、この要件を満たしていることは使用者の側で立証する必要があります。
このため、どうしても従業員を解雇する必要が生じたような場合には
① 要件を満たしているか
② それを立証できるか
という2つの観点から検討する必要があります。
もちろん、解雇すると決めた場合には、立証のための証拠を保存することも必要になります。
コストとリスクは、似たような意味で使われますが全く違う概念です。
経営を行うに当たっては、この二つの違いを意識する必要があります。
リスクとは、「目的に対する不確かさの影響」と言います(ISO31000)
分かりにくい言い方ですが、要は「どうなるか分からないこと。」だと理解すればよいでしょう。
一方で、コストとは文字通り出ていくお金のことです。
固定費や変動費として発生する支出と理解すればよいでしょう。
例えば、固定費が大きく、変動費が小さい事業を考えます。
この場合には、売上が小さくても大きなコストが発生するため損失が大きいが、売上が大きくなってもコストが増えないため利益が大きくなりやすいので、リスクが大きいがリターンも大きいということができます。
逆に、固定費が小さく、変動費が小さい事業を考えます。
この場合には、売上が小さい場合にはコストも小さいため損失は小さくなりますが、売上に比例しコストも増えるため利益が大きくなりにくく、リスクが小さいがリターンも小さいということができます。
リスクとコストを分けて考えると、経営判断を行いやすくなります。
例えば、1年契約と1か月ごとの契約(1年であれば安くなる場合)を比較した場合、1年契約であればコストが小さいがリスクが大きいのに対して、1か月契約であればコストが大きいがリスクが小さいと言えます。
その上で、リスクとコストのどちらを優先したいかという観点から経営判断を行うことになります。
不景気やコロナ禍などで利益が上がらない場合でも、企業は生産を続ける場合があります。
これはなぜでしょうか?
黒字と赤字が分岐するときの売上高を損益分岐点と言います。
損益分岐点を下回る売上しか上げられない場合には、経営を行っていても赤字になってしまいます。
では、損益分岐点を下回る場合には生産を行わない方がよいでしょうか?
企業が生産活動を行わない場合でも、固定費による支出は発生し続けます。
例えば、工場の維持費や、従業員の賃金(休業補償)などの支出は発生し続けます。
生産活動によってある程度の売上を上げられる場合には、損益分岐点を下回っていても、固定費を回収できる分、何も生産しないよりは赤字を小さくできます。
つまり、たとえ赤字であっても、赤字額を小さくできるという意味で生産活動を行う意味があると言えます。
さらに売上が下がると、生産によって固定費の回収以上の損失が発生することになり、生産活動を行わない方が損害が小さくなります。
このような点を、閉鎖点と言います。
なお、閉鎖店を上回っていても、赤字であることには変わりがありません。
売上の改善の見込みがない場合には、固定費の削減を検討する必要があります。
冬は乾燥と暖房によって火災が発生しやすいと言われます。
もし、誤って火事を起こしてしまった場合にはどのような責任を負うでしょうか?
通常、過失によって他人の財産に損害を与えた場合は、加害者がその損害を賠償する責任があります。
このため、本来であれば、失火によって火災が発生し延焼によって他人の家が燃えた場合には、その損害を賠償する必要があります。
しかし、延焼による損害をすべて賠償しなければならないとすると、一回の失火でとてつもない損害賠償を行う必要が発生してしまいます。
そこで、失火責任法という法律が存在し次のように定められています。
民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
カナ交じり文で読みにくいですが、訳すと
民法709条(不法行為)の規定は失火の場合には適用しない
という意味になります。
分かりやすく言うと、失火の場合には不法行為責任は発生しないということになり、延焼などで発生した損害の賠償義務は発生しません。
ただし、失火責任法で免責されるのは不法行為による責任だけです。
債務不履行による責任は免責されません。
これは、借主が失火によって火災を起こした場合には、貸主に対する損害賠償義務は免責されないということを意味します。
放火事件の裁判について
「殺すつもりはなかった、と言えば殺人にならないのですか?」
という質問を受けることがあります。
回答としては、半分は正しい、半分は間違いということになります。
まず、殺意がなければ殺人罪は成立しません。
しかし、「殺すつもりがない。」とだけ言えば殺意が否定されるわけではありません。
裁判ではいろいろな事実関係を考慮して殺意の認定がされます。
現に人がいる建物にガソリンなどを巻いて火をつけていれば殺意が認定される可能性が高いでしょう。
むしろ、刑や罪の重さという意味では殺意の認定がされなくても違いはありません。
殺人罪の刑は次のようになっています。
死刑又は無期若しくは五年以上の懲役(拘禁)
一方で現住建造物等放火の刑も次のようになっています。
死刑又は無期若しくは五年以上の懲役(拘禁)
つまり、刑罰という意味では、殺人罪でも現住建造物等放火でも変わらないということになります。
ここで注意してほしいのが、普段人が住んでいる建物に放火すれば現住建造物等放火が成立することです。
例えば、建物の中を確認して誰もいないことを確認してから火をつけた場合でも、普段人が住んでいれば現住建造物等放火が成立します。
言い方を変えると、「絶対に人が死なない」状況で放火をしても殺人と同じ重さということになります。
「殺意がなければ殺人にならない。」というよりも、
「殺意がなくても殺人と同じ」重い罪というイメージが正しいでしょう。
ライドシェア解禁の検討で「白タク」という言葉をよく聞きます。
今回は「白タク」とは何かについて解説します。
法律的にはタクシーは旅客運送業に該当します。
旅客運送業を行うには行政の許可が必要になります。
(許可手続きについては行政書士にご相談ください)
また、ドライバーには二種免許も必要となります。
今回ライドシェア検討されているのは、この二種免許の要件が重いためです。
旅客運送業の免許を受けると、緑色のナンバープレートが発行されます。
町中でタクシーやバスを見ると緑色のナンバープレートが付いているのが分かると思います。
一方で、普通の乗用車や営業車を見ると白色のナンバープレートが付いているのが分かると思います。
つまり
緑ナンバー=旅客運送業の許可を受けている
白ナンバー=旅客運送業の免許を受けていない
ということになります。
したがって、
白ナンバーのタクシー=無許可のタクシー=違法
ということになります。
このように、「白色のナンバープレートでタクシー業を行う違法行為」を俗に「白タク」と呼んでいます。
収入が増えると節税対策を考え始めます。
一般的な方法は、経費を多くして利益を減らすことでしょう。
しかし、利益が減るということはそれによって損失が発生するリスクがあります。
交通事故に遭うなどして働けなくなった場合、休業日数に応じた損害(逸失利益)が発生します。
この逸失利益は加害者に請求することができます。
逸失利益を算定するに当たっては、元々の収入を算定する必要があります。
サラリーマンの場合には、給与明細などを利用してもともとの収入を算定します。
一方で経営者の場合には納税の申告書などで収入を算定します。
節税対策のために利益を減らしていた場合には、減らした後の利益を元に逸失利益が算定されます。
このため、節税対策のために利益を0円などにしていると、事故に遭った際に逸失利益の賠償を受けられないというリスクが発生します。
もちろん、他の証拠を用いて「実際の収入はもっと多かった。」と主張することも考えられます。
しかし、裁判所は、自ら少ない金額で申告していた以上、他の証拠でより多い収入を認定することに消極的です。
このため、節税対策で収入を減らしていたような場合には、事故発生時の逸失利益が減額されると考えておいた方がよいでしょう。
他にも、見かけ上の収入が少ない場合には、ローンを組みにくくなるなどの問題も発生します。
節税対策を行う場合には、見かけ上の利益が少ないことによるリスクが存在することを知っておきましょう。
自宅やオフィスに押し掛けて来るしつこい営業はきっぱり断るのが大事です。
しかし、きっぱり断っているのにしつこく営業をしてくる悪質な営業マンもいます。
そのような場合にはどのように対応するべきでしょうか。
悪質営業については事後的な救済手段がありますが、その場合には手間や費用が掛かりますし、業者が逃げてしまえばお金を取り返すことは難しくなります。
その場で断る方法を知っておきましょう。
刑法には不退去の罪(刑法130条後段)というものがあります。
「(権限のある者から)要求を受けたにもかかわらずこれらの場所(住居など)から退去しなかった」場合には住居侵入と同じ罪が成立します。
しつこい営業マンに対して、退去を命じたのに退去しない場合には不退去の罪が成立します。
不退去の罪が成立するということは、刑事事件になります。
民事事件ではないため「民事不介入」とはなりません。
つまり警察通報を行うことができることになります。
悪質な営業マンがしつこい場合には、まずは退去を促しましょう。
それでも退去しない場合には「警察通報する意思。」を伝えます。
多くの場合はそれで退去しますが中には悪質性の高い営業マンもいます。
ある会社では、警察を呼ぶと言われても退去するな。」と指示されていたこともあるようです。
そのような悪質な営業マンについては本当に警察通報を行いましょう。
インターネットを閲覧していると「国が認めた借金減額手段」などという広告が出てくることがあります。
これはいったいどういうものでしょうか?
100万円の借金を毎月2万円ずつ返すと返済には何年かかるでしょうか?
100÷2で50か月とはなりません。
返済中にも利息が付くので、実際には77か月かかって約155万円を返済することになります。
逆に、先に期間を決めて、例えば
5年間で完済しようとすると、約2.4万円返済する必要があります。
そこで登場するのが任意整理です。
これは、月々の返済額と返済期間を合意することで、その約束通りに返済している間は利息が発生しないようするというものです。
この場合、100万円を5年間で返す場合には、月々1.7万円返済することになります。
任意整理をしない場合と比較して約7000円返済額が減っています。
総返済額については、普通に5年間で返済する場合と比較して約30万円減ることになります。
広告で「国が認めた」などと書かれていることがありますが、特に政府が積極的に推奨している制度というわけではありません。
単に「国が禁止していない」くらいの意味ととらえた方がいいでしょう。
他にも「国が認めた●●」という広告を見ることがありますが、あくまでも国が禁止していないだけであり、国が推奨しているというものではないと考えた方がいいでしょう。